2005/06/11 (土) 21:22:06        [qwerty]
ティファよ

この村はいったいどうなっているのだ?
あれは幻、それとも夢だったのか?
いや、そんなはずはない。
私ははっきり覚えている。
炎の中から無事な者を救いだそうとしたが
力およばず……
怒りに燃えた私はセフィロスを倒すべく
魔晄炉へ向かった。
セフィロスの姿は見えなかった。
そのかわり魔晄炉の中で倒れていた
ティファ、おまえをみつけたのだ。
セフィロスを倒すよりも
おまえの命を救う方が大切だと私は考えた。
魔晄炉の中には他にも何人か
まだ息のある者がいたのだが
救うことができたのはおまえだけだった
魔晄炉から出ると、神羅の軍隊が
到着したところだった。
指揮をとっていたのは、たしか宝条という
科学者だったと記憶している。
宝条は「少しでも息のある者は実験用に
集めておけ」と兵士たちに命令していた。
何の実験だか知らないが、かわいい弟子を
渡すわけにはいかない。
私はおまえを背負って山をおり
そして村を出た。
私は道中何度もおまえにケアルをかけつつ
おまえの命を救ってくれる医者を求めて
ミッドガルを目指した。
あの街は好きではないが、私のケアルだけでは
どうしようもなかった。
ミッドガルの信頼できる医者におまえをあずけて
私は再び旅に出ることにした。
おまえのことは心配だったが
ひとつ場所にとどまっていられないのが
私の性分だ。
傷はすっかり良くなっただろうか?
元気にしているだろうか?
あれから、何年がすぎたのだ?
私はふらりとこの村に戻ってきたが
正直なところ、おどろいている。
村は元通りだが、黒い服の不気味な者たちが
うろついている……。
神羅のにおいがぷんぷんするが
私は深追いするつもりはない。
逃げていると言われればそれまでだが
神羅にかかわるのは、もういやなのだ。
さて、ティファ。
この家の者が戻って来ないうちに
ここを立ち去らなくてはならない。
時間はなさそうだ。
おまえは必ずこの手紙を見つけるにちがいない。
それを信じてここに私からのおくりものを
隠しておく。
きっと役に立つだろう。
直接渡したいところだが弟子に老いた自分を
見られるのはつらい。
もう私はジャンプさえ出来なくなってしまった。
私の技、おまえがみがきあげてくれることを
ねがっている。
   最愛の弟子へ ザンガン


ファイナルヘブンを手に入れた