>  2007/11/19 (月) 20:25:52        [qwerty]
> パーとペー本当に取ってたのか(;´Д`)

高校三年になった昭和三十七年の春、札幌から東京の高校へ転校した。
単身上京して見つけたのは高田馬場の三畳で家賃二千円のボロアパート。
住人の大半が早稲田の学生か予備校生だった。 

隣の部屋には佐藤嘉彦さんという大阪出身の予備校生がいた。
毎日深夜まで勉強する努力家で、模擬テストはいつも上位。
共同トイレの壁に歴史の年表などを貼り、トイレの中からも大阪訛の読誦が聞こえ、皆の人気者だった。
心の温かい人で、夏休みに帰省する時、上野駅まで見送りに来て餞別をくれた。
紙袋の中は十円玉などの小銭で五百円ほど入っていた。
それが有り金のほとんどだった。 

佐藤さんの夢は「早稲田で演劇を学び、役者になる」ことだった。
だが不況の時で、年の暮れにお父さんが家業を継ぐよう説得に来た。
その夜、受験を断念した彼が号泣する声が薄い壁を通して聞こえた。 

二年後、佐藤さんは再び上京、林家三平師匠に弟子入りした。
その後「林家パー子」さんという素敵な女性と結婚し、今は「林家ぺー」という芸名でテレビで活躍している


漏れは日経新聞に載ったこの話が好き過ぎる(;´Д`)

参考:2007/11/19(月)20時19分17秒