投稿者:陳宮 2007/12/27 (木) 20:29:10        [qwerty]
昨日の続き(;´Д`)

「私が前回って前々捌きで勝負しようと思うの。私の方が格上だしね。」
「で・・・でもっあたしも自力ありますし捲りなら・・・」
「陽子ちゃん、どうせ私を引き出すために自爆覚悟で福島勢より先に駆けて・・・とか
考えていたんでしょ?正直陽子ちゃんの自力じゃ普通にやったんじゃ勝負にならないでしょこのメンバーじゃ。」
キッツいことを笑顔でズバッと言う。
でも考えはしっかり読まれてるんだよなあ。この人は常に私の考えてることを先読みする。
「私はS1の得点かかってる陽子ちゃんに引きだしてもらおうなんて思ってないしして欲しくない。
だったら陽子ちゃんの普通の自力や捌きに期待するよりは私が前回って捌いた方が二人ともチャンスあるでしょ?
それに、そんな引き出し役なんて浪花節やったら私のファンが陽子ちゃんに流れちゃうかもしれないじゃない。」
と面白そうに笑う。
うん、確かにあたしは失格のおかげで三点引かれて初のS1が微妙になっている。S1は番組面で優遇され
選手にとっての最初の目標である地位だ。そりゃなりたい。ここで決勝に乗れればまず確定。
でも捌く、というのは他のラインに切り込む、という事だ。でもこのメンバーの何処に切り込むんだろう・・・
「まあ、とにかく明日は黙って私についてきてちょうだい。二人で決勝行こうよ。まあ優勝は私で二着が貴方だけどね。」と、また面白そうに笑う。
「それに、佐藤(新太郎)の思い通りにさせるのも面白くないしね。」
明日の福島勢は全員新太郎の弟子だ。俊信師匠は現役時代新太郎の存在が大きな邪魔となり
他県という事で位置について強く言えない立場もあって無冠に終わった選手だった。
私は師匠の現役時代は見たことはないけど、山寺さんは当時としては珍しい競輪好きな少女で
師匠の現役時代もインターネットライブで見ていたことがあるらしい。
北日本に住んでる殆どの選手志望の子は実績、人脈がある新太郎に弟子入りしていたのに
わざわざ俊信師匠に真っ先に弟子入りしたのは何か思うところがあったんだろう。