2008/02/05 (火) 14:48:34        [qwerty]
そもそも、財政赤字とは「負担(納税)の先送り」の結果だから、政府債務の返済は、負担を先送りさせた人々
の税金の後払い(増税)を主とするのが筋である。「負担を先送りした人々」が誰かだが、日本の財政赤字拡大
の主因が度重なる所得税減税であったことと年功賃金体系を合わせて考えれば、現在の 50~70歳代(の当時の
高所得者)が浮かび上がる(この世代は、社会保障制度でも負担を後続世代に回している)。したがって、財政
再建のための増税は、過去の財政赤字とはほとんど無関係な若年層ではなく、富裕中高年層をターゲットにしな
ければ道理に合わない。

日本の家計金融資産1400兆円のうち、1000兆円以上を50歳以上の世代が保有していると推計されているが、これ
は、税や社会保険料負担を先送りした分(=政府債務)を自分の資産にできたためでもある(先送りした「ツケ」
が資産に化けるというのも不思議なことである)。この1000兆円の資産に手をつけずに若年層に負担増を求める
のでは、政府への信頼低下は避けられないし、日本経済そのものが、退職者への過度に手厚い医療費・年金負担
で経営が行き詰まったGMのようになってしまう。日本経済の活力を維持するためにも、財政再建・社会保障制
度改革に「因果応報」を貫くことが必要であろう。