> 2005/03/24 (木) 03:17:38 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> まだゼノがあるのか
> もう眠いよ…パトラッシュ
「じゃあボク、桜くんに本を読んであげる!」
ぴたりと、僕の上で動きを止め、ドクロちゃんは布団をめくって僕の顔を覗き込んできました。
僕の心はふいに暖かくなりました。そう言えば幼い頃、お母さんによく、寝る前に本を読んでもらったものです。
目を開くと、天井の丸い蛍光灯の光が差し込んできて、ドクロちゃんの顔は薄く逆光。
目をこすって、僕はドクロちゃんを見ました。
「うん…それぐらいだったらいいけど…なんの本?」
「ええっと…フランダースの…」
ドクロちゃんは楽しいイタズラを思いついた子猫みたいに四つんばいのまま、本棚から本をひっぱりだします。
しかしドクロちゃんも粋なチョイスをしてきます。フランダースの、
「犬奴隷…」
「ええッッ!?」
「読むね?」
「ちょ、ちょっとまって!?今、なんて言った!?」
『むかしむかしあるところに人間のネロと犬のパトラッシュがいました』
「う…うん」
ドクロちゃんはその本を太股の間に広げ、まるでお母さんのように感情を込めて読み始めました。
『ああぁぁッ(はぁと)。だめだよパトラッシュ…、パトラッシュ!』
「うわー!なに読んでるの!それ本当にただの犬!?ちょっとやめてよドクロちゃん!眠れなくなっちゃうよ!」
『くうぅぅんくぅぅん…ご主人さま。わたしは犬でございます…』
「やめてよドクロちゃん!お願いだから眠らせてぇぇ…」
参考:2005/03/24(木)03時17分11秒