2008/02/20 (水) 15:08:38        [qwerty]
そばに寄ると臭かった。
ほおっておけば蛆(うじ)が生じ、包帯が汚れたままだと、夜、寝てからネズミにかじられた。
指を脱落させ、足を断ち、日増しに顔相が変わり、顔なのか何なのか分からなくなっていった。
神経痛に切り刻まれる思いをし、熱こぶの汗が布団を貫き、骨が腐るほど痛み、
すべての部位を冒された挙げ句に視力を失い、そこからウジ虫が生まれても、
ただ無抵抗に祈るしかなかった。
                                   「無菌地帯」より、あるハンセン病患者の手記