発病後、人目を避けるため裏の奥座敷に独り籠もっていたが、村の人がそれを知って、 妹や弟が学校でいじめられていた。 私のために家族にこれ以上迷惑を掛けることは忍びないと思い、家を出て海岸辺に 「隔離小屋」を立ててもらい、そこに独り暮らすことにした。 隔離小屋の生活では、時折「ハブ」が出るが、「ハブ」はこちらがいじめなければ何もしないので、 少しも怖くなかったが、それよりも、何もしない私に石を投げたり、悪口を叫ぶ人間のほうが よっぽど恐ろしかった。