日本の雇用構造は「就社」であってその会社でどのような仕事をすることになるのか分からないのが 普通です。エンジニアとして仕事を始めて、営業に回り、人事を経験してから子会社の社長になる、 といった経歴はごく普通のことです。 高校などでキャリアの説明をするときにこのような実態については全くリクエストがないですね。学 校教育に置ける「職」とは業務のことばかりで、簡単に言えば職人さんの世界しか取り上げません。 だから現在でも大半の人が仕事に就く「サラリーマンとは」という話が伝わりません。 堺屋太一氏が「終身雇用制度は外れの会社に入社したらずっと苦しむ制度でもある」と指摘していま すが、個人としては「職人志望で好きなことをやりたい」というのはあるでしょう。つまり「就社」 は好まない傾向が元々あるわけです。 それを可能にしたのが派遣労働制度で、特定機能だけを対象に始まったのですがそれを何でもアリに してしまいましたから、単なる安い労働力になってしまいました。