僕は死ぬことを怖れてゐる。が、死ぬことは困難ではない。 僕は二三度頸(くび)をくくつたものだ。 しかし二十秒ばかり苦しんだ後は或快感さへ感じて来る。 僕は死よりも不快なことに会へば、 いつでも死ぬのにためらはないつもりだ。