2008/03/31 (月) 21:29:50        [qwerty]
 あまり知られていないことだが、効率の高いモーターには、磁力の強い永久磁石が必要。現時点では、
Nd-Fe-B(ネオジ鉄ボロン、以下ネオジ磁石)と呼ばれる磁石が使われている。この磁石は、ほぼ
25年前に、佐川眞人氏(富士通→住友特殊金属→現インターメタリックス代表取締役)によって発明さ
れた。
 Ndは、少ないとはいっても、まだ資源はある。Dyも資源量としては3なので、なんとかなる程度で
はあるものの、問題は、その産地。現在、中国が90%以上を支配しているのが現実。中国も、自動車工
業における産業競争力をつけようとしていて、ハイブリッド車は、Dy資源をおさえれば、日本に勝つこ
とができると考えているふしがある。
 となると、Dy資源を他の国で探すことになるのだが、実際には、原子番号が大きな希土類である中重
希土類は、どうも中国独占状態。
 これは困った。ということで始まったのが、元素戦略だという見方もできる。実際のところ、日本とい
う国は非常に呑気で、中国がそんな戦略を取ることが分かっていても、誰も対策を考えない国だった。ネ
オジ磁石が日本で発明されたことすら、知らない政治家が多いのでは。
 最近、ネオジ磁石は、あらゆるところで使われている。小型モーターの大部分。ヘッドフォン用の磁石、
ハードディスクのヘッドを動かす磁石などなど。これらの製品が廃棄されるときに、回収してリサイクル
をすべき。しかし、現時点で回収される製品に含まれる磁石類の半分は中国に戻っているらしい。