> > お前を見てると > > 中島 敦の「山月記」をしみじみ思い出すよ(´Д`) > > 人語をしゃべる狼が!(;´Д`) 虎は、あわや袁に躍りかかるかと見えたが、忽(たちま)ち身を飜 (ひるがえ)して、元の叢に隠れた。叢の中から人間の声で 「あぶないところだった」と繰返し呟(つぶや)くのが聞えた。 その声に袁は聞き憶(おぼ)えがあった。驚懼(きょうく)の中にも、 彼は咄嗟(とっさ)に思いあたって、叫んだ。「その声は、我が友、李徴子 ではないか?」袁は李徴と同年に進士の第に登り、友人の少かった李徴にと っては、最も親しい友であった。温和な袁の性格が、峻峭(しゅんしょう) な李徴の性情と衝突しなかったためであろう。 叢の中からは、暫(しばら)く返辞が無かった。しのび泣きかと思われる 微(かす)かな声が時々洩(も)れるばかりである。ややあって、低い声が 答えた。「如何にもわっちは賢狼ホロじゃ」と。 参考:2008/05/07(水)22時49分39秒