>  2008/05/07 (水) 22:51:56        [qwerty]
> > お前を見てると
> > 中島 敦の「山月記」をしみじみ思い出すよ(´Д`)
> 
> 人語をしゃべる狼が!(;´Д`)

虎は、あわや袁に躍りかかるかと見えたが、忽(たちま)ち身を飜
(ひるがえ)して、元の叢に隠れた。叢の中から人間の声で
「あぶないところだった」と繰返し呟(つぶや)くのが聞えた。
その声に袁は聞き憶(おぼ)えがあった。驚懼(きょうく)の中にも、
彼は咄嗟(とっさ)に思いあたって、叫んだ。「その声は、我が友、李徴子
ではないか?」袁は李徴と同年に進士の第に登り、友人の少かった李徴にと
っては、最も親しい友であった。温和な袁の性格が、峻峭(しゅんしょう)
な李徴の性情と衝突しなかったためであろう。
 叢の中からは、暫(しばら)く返辞が無かった。しのび泣きかと思われる
微(かす)かな声が時々洩(も)れるばかりである。ややあって、低い声が
答えた。「如何にもわっちは賢狼ホロじゃ」と。

参考:2008/05/07(水)22時49分39秒