2005/06/26 (日) 14:41:48 ◆ ▼ ◇ [qwerty]まその身辺警護を担当している親衛隊中隊指揮官であります
まそが幾度も幾度も荒れをよんでしまい大変ご迷惑をおかけいたしました
気分を害された方にはなんとお詫びしてよいかわかりません
まそは英邁な指導者でありました
祖国の危機に敢然と立ちあがったまそは見る間に国家経済を立て直し
再軍備を行ない敗戦国という負い目を背負わされてきた我々に
希望を与えてくれたのであります
しかしながら
周囲からの期待は大きな重圧となって少しずつまその精神を蝕んでいたのであります
まそは変わっていきました
およそ成功のおぼつかない博打的な侵攻作戦を実行したり
優位な敵の勢力を知りつつ兵士に戦線を死守することを強要したりしはじめたのであります
身辺からも耳に痛い事をいう優秀な将軍を遠ざけ
おべっかを使うしか能のない追従者を置くようになられました
小官は決断しました
このまままそを放置すればわが国は間違い無く崩壊します
そして何より今のようなまそを見る事には絶えられない
まそは我々の偉大なる指導者であり我々を導く希望の星だったはずであります
小官は単身まその執務室に踏み込みました
薄暗い部屋でまそは踏み込んだ小官にも気付かず地図上の駒をせわしなく動かしていたかと思うと
突然狂ったように笑いはじめ「いってよし」と連呼しはじめたのであります
頬はこけ顔色は青白いのを通り越して土気色
目には光がなく何処を見ているかもわかりません
小官は意を決し拳銃をまそに向けました
するとまそは突然バネ仕掛けのように跳びあがり土下座をして命乞いをはじめたのであります
よだれと鼻水をカーペットに擦り付けながらろれつのまわらぬ声で「アイゴー、アイゴー」と泣き
叫ぶまそを見て小官は憐れみよりも虚しさを感じたのであります
小官が命をかけて忠誠を誓ったまそはもうそこにはいません
いるのはまその抜け殻であります。
その後小官は騒ぎが大きくなる前に地下大本営を抜け出し
自室に戻りました
まそに銃を向けた以上小官は無事では済まないでしょう
しかし小官も軍人
身の処し方はわきまえているつもりです
まそを撃つつもりで抜いた拳銃ですが小官自身に向けて使うことにします
もしかしたら今度の事がまその本来の姿を取り戻すきっかけになるかもしれません
そのためと考えれば私の死も無駄にはならないでしょう
祖国万歳!まそ万歳!