異邦人 フランスの作家アルベール・カミュの小説. 一種の犯罪小説だが,評判ほどの傑作ではない.むしろ失敗作であろう. 太陽が黄色かったから人を殺したというのは,殺害動機としてあまりに 薄弱な上,伏線らしいものも見当たらない. 裁判シーンも迫力がない.本筋とあまり関係ない部分が饒舌で,些か退屈する. だが何よりも,新しい殺人のアイディアやトリックが一つもないのが, 決定的失敗であると言われている.