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2003/03/03 (月) 05:18:35 ◆ ▼ ◇ [mirai]http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20030228&j=0047&k=200302275220
窓をトントン(;´Д`)
2003/03/03 (月) 05:17:31 ◆ ▼ ◇ [mirai]「耕一さん、どうなさったんですか?」
千鶴さんいいとこに来た! 実は……。
「まあ」
千鶴さんは心底気の毒そうに俺の手をとった。冷たい手のひら。
手の冷たいひとって心は温かいって言うよなあ。
「よかったら鶴来屋で少し休んで行かれますか?」
俺は一も二もなくうなづいた。
とにかく落ち着いて考える時間が欲しい。
鶴来屋の玄関前で、千鶴さんがふと立ち止まった。
「それじゃあ耕一さん、レンタル料のお支払いをお願いします」
レンタル料?
「えーと、ここホテルになってますから800ドルですね」
千鶴さん、おれ金なんか持ってないよ。
「なんですって……?」
即鬼化。
周囲の気温が三度さがる。屋外なのにすごい冷却力。
「それなら、ここで破産してもらうまでです!
耕一さん、全財産家屋敷もろとも頂きます!」
うっわあああああ!
オレ猛ダッシュ。
さすがに同じ鬼とは言え、男女の差でオレは千鶴さんをどんどん引き離していった。
「あれ、耕一?」
梓、助けてくれ! 千鶴さんに追われてる!
「なんであの千鶴姉に追われるんだよ? はーん、さてはなにかエッチなことしたな?」
そんなん怖くて出来るか!
「んー、分かった分かった。耕一へチャンスをやろう」
梓はオレの前にカードの束を付きつけた。
また何か引くのか?
『チャンスカード 水門へ行く』
「水門だって。行かなきゃだめだよ耕一」
「おう、恩に着るぜ」
鬼の力を体に変化を及ぼさないぎりぎりまで解放して、山のほうへと走る。
しかし山岳ゲリラじゃないんだから山に逃げんでもよさそうなものだが。
「耕一さん!」
楓ちゃん! どうして君がここに?
「会いたかった……」
ひしっとしがみつく楓ちゃん。ううっ、いい子だぜ。
「レンタル料500ドルです」
なにいいいいいーーーーー!?
よく見ると、周りには鶴来屋グループのペンションが三軒建っている。
「逃がしません、耕一さん」
オレの胴体は楓ちゃんにしっかりつかまれている。
俺、破産。
「ごめんなさい耕一さん……耕一さんの持ってるB&Oとリーディング鉄道を入手すれば、
わたしは鉄道王になれるんです……」
俺の手から札を取り上げながら、楓ちゃんが申し訳なさそうに言うのがどこか遠くで聞
こえた。
「強いな、初音ちゃんは。いろんな意味で」
ゲームの名前通り神経をすり減らした俺は、それと同時にギブアップ宣言をした。
もうなんか、何もかもしぼりとられた感じだ。
「なんつーか、すごい力だなー」
「えへへ……」
初音ちゃんは照れながら後ろ頭を掻いた。
「根本的に頭が……ヘンなのかな……」
「そ、そんなことないよー」
2003/03/03 (月) 05:17:15 ◆ ▼ ◇ [mirai] 初音ちゃんと遊ぶことにしたはいいが、トランプのゲーム内容で紛糾していた。
うーむ、俺バクチ関係しか知らないしなあ。
「神経衰弱!」
「あっ、それいいな! それなら二人でも、そこそこ盛り上がるか」
「うん、じゃあ、やろう」
初音ちゃんはにっこりと微笑んだ。
「よっしゃ! んじゃ、二人でいっちょ、神経を衰弱させっとすっか!」
「……」
初音ちゃんは、なんだか複雑な顔をした。
ニヤリと笑ったように見えたのはきっと気のせいだろう。
「じゃ、わたしからね」
こういうのは先手が不利だ。初音ちゃんはそれを見越してか、わざわざ自分から先手を
買って出た。
ううっ、つくづくいい子だぜ。
「えへへ、やっぱりだめだね」
めくって出たのはハートの3とダイヤの6。次は俺だ。
適当でいいよな。まずはある程度オープンにしないと進まないし。
一枚目はスペードの2。
そんで二枚目。
俺は目を疑った。
札に書かれていたのは人物画。
キングとかクイーンとかジャックとか、そんなハイカラなもんじゃない。
僧侶。
純和風。
なぜに!?
「お兄ちゃんボウズー」
蝉丸のかかれた札を持ったまま固まった俺を置き去りに、初音ちゃんがあとを続ける。
「えっと、これでどうかな?
あ! わあい、中納言ゲットだぜ」
中納言?
いつのまにやら百人一首が混入していたらしい。
しかもゲーム内容が坊主めくりに移行しているのか!?
「つぎお兄ちゃんだよ、ねえ早く早く!」
とりあえずめくる。
あ、M:TGのセラエンジェル?
おお、野村義男のキラカード!?
「すごいよお兄ちゃん、野村だよ! 激ヤバ二枚買い必至の超レアものだよ」
……そうなのか?
つうか、もらっていいんですか? この組み合わせ。
たしか最初並べたときはトランプのカードしかなかったと思うんだが……。
すべてが謎のままゲームは進行する。
「ぐはあっ、志保15枚目」
いちじるしい精神疲労で俺はもうボロボロだ。
いかん……このままでは本当に神経が衰弱してしまう……。
そんな俺に追い討ちをかけるかのように、初音ちゃんがなにか四角いものを渡す。
「はい、じゃあお兄ちゃんダイス振って」
ダイスと来たか!?
……まあいい、受けて立とうじゃないか。
なんかバクチっぽい雰囲気になってきたしな。
これならいける! こういうのなら俺の独断場だ。
ん~ダイスの神様、たのむっス。うりゃ!
出目は?
「3と2で5だね。あ、お兄ちゃんGO TO JAILだよ」
「そういうことだ、柏木耕一」
圧倒的な殺気。この気は……同族?
そこにいたのは柳川だった。
「てめえ何しに来やがった!」
とたんに俺の手にはめられる手錠。
「お前を逮捕する」
「おい待て! 俺が何をした? 初音ちゃん、これは一体」
「ううっ、お兄ちゃん、しっかりお勤めしてきてね」
ハンカチで目頭を押さえる。
待ってくれ、この状況に何にも疑問を感じないのか?
よく分からんうちに連行されてしまった。
長瀬刑事はあいかわらず飄々としていて、カツ丼なんぞすすめてくれたりする。
「そりゃ災難だったねえ」
取調室で俺は涙ながらに無実を訴えた。
無実もくそも俺は何にもしていない。ただ初音ちゃんとカードゲームにいそしんでただ
けじゃないか。
何のゲームか不明だったが。
「どれ、手札見せてごらん」
言われるままに見せる。抵抗してもしょうがないし。
「お、JAIL FREEあるじゃないか。耕一君ラッキーだねえ」
がちゃーん。
「もう戻ってくるんじゃないぞ」
長瀬刑事の声に見送られて警察を出た。
何で出れたのやら……。
2003/03/03 (月) 05:16:49 ◆ ▼ ◇ [mirai]http://www.sakuraminto.com/
これってオリジナル?(;´Д`)なんか題材あるの?
>_ 2003/03/03 (月) 05:15:39 ◆ ▼ ◇ [mirai]> http://www6.big.or.jp/~ss2/upload/source/SS1153.zip
> はいヽ(´ー`)ノある日のフェレット
> スライドショートかで間隔短くしてから見ろよな
細長いのな
参考:2003/03/03(月)04時58分35秒
> 2003/03/03 (月) 05:13:54 ◆ ▼ ◇ [mirai]> > 今日で俺が本店からみらいに移住してちょうど1ヶ月だ
> > みんな祝ってくれ
> > 今夜は無礼講だ
> 来た理由を聞いておこうか
> みらいも酷いもんだと思うが
一箇所に長いこと居ると飽きちゃってね
ネタの展開も先が見えちゃったりするでしょ?
それにあっちは荒らしが酷くてさ
こっちは酷いのは弾かれるみたいだし
なかなかいい感じ
参考:2003/03/03(月)05時06分54秒
>_ 2003/03/03 (月) 05:12:57 ◆ ▼ ◇ [mirai]> http://www6.big.or.jp/~ss2/upload/source/SS1153.zip
> はいヽ(´ー`)ノある日のフェレット
> スライドショートかで間隔短くしてから見ろよな
やべえ号泣した(;´Д`)
参考:2003/03/03(月)04時58分35秒
2003/03/03 (月) 05:12:28 ◆ ▼ ◇ [mirai]1時間で終わりそうな仕事が5時間以上やっているが終わらない(;´Д`)
ダラダラやってるとどうにもなんないなぁ…
> 2003/03/03 (月) 05:09:22 ◆ ▼ ◇ [mirai]> わのトップ画像の子は男なのかね(;´Д`)ショタ云々言う以前にこりゃ美人だな
アナルマニアなだけでその子は女の子だよ
参考:2003/03/03(月)05時05分11秒
2003/03/03 (月) 05:09:09 ◆ ▼ ◇ [mirai]タタタタタタタタタタタタタタタタ(;´Д`)
> 2003/03/03 (月) 05:07:41 ◆ ▼ ◇ [mirai]> 今日で俺が本店からみらいに移住してちょうど1ヶ月だ
> みんな祝ってくれ
> 今夜は無礼講だ
お代は全部こいつ持ちだと(^^;
参考:2003/03/03(月)05時05分22秒
> 2003/03/03 (月) 05:06:54 ◆ ▼ ◇ [mirai]> 今日で俺が本店からみらいに移住してちょうど1ヶ月だ
> みんな祝ってくれ
> 今夜は無礼講だ
来た理由を聞いておこうか
みらいも酷いもんだと思うが
参考:2003/03/03(月)05時05分22秒
2003/03/03 (月) 05:05:22 ◆ ▼ ◇ [mirai]今日で俺が本店からみらいに移住してちょうど1ヶ月だ
みんな祝ってくれ
今夜は無礼講だ
2003/03/03 (月) 05:05:11 ◆ ▼ ◇ [mirai]わのトップ画像の子は男なのかね(;´Д`)ショタ云々言う以前にこりゃ美人だな
2003/03/03 (月) 05:04:48 ◆ ▼ ◇ [mirai]「あずさ……」
「こういち?」
突然の声に顔を上げる。
「……って、うわあああああ!!」
思わず大声。
そこにいたのは、耕一……なのか? いや……違う?
「ほんとに、耕一なの?」
「……いや、違う……」
喉を完全につぶしたような、ものすごく押し殺した声。
「すけきよだ……」
「………………」
「もしくは……アオヌマシズマ」
耕一の服を着て、耕一とおなじ背格好で立ちはだかっているそれは、頭にすっぽりと青
白いゴムマスクを被っていた。目と口だけ穴があいている。
「どうして……」
「駅前のゲーセン……UFOキャッチャーにあった……これ取るのに、1200円かかっ
たー……」
なんか。
なんか、ばかばかしくて涙が出てくる。
これやるために。これ被ってあたしのことを迎えに来るためだけに、キャッチャーに張
り付いてる耕一の姿を思い浮かべるだけで。
ゲーセンからこれ被ってくる耕一の姿、ぎょっとして周りの人が振り返る中を、何も気
にせずまっすぐ歩いてきただろう耕一の姿を。
「耕一……」
「心配するなー……お前の分もある……」
すっとさしだす、白いゴム。
あたしは黙って受け取り、それを被る。ゴムくさいのが気になったけど。
「こ、これで……いいのか……」
せいいっぱい声を押しつぶして、似せてみる。
「……そうだ……よくできてるぞ、あずさ……」
「ありがとう……耕一……」
押しつぶした、しわがれた声で二人、心と心が通じ合うのを感じる。
「それじゃ……ゲーセンに行くか耕一……」
「どうしてだ……あずさ……」
「千鶴姉たちの分も……必要だろう……」
「そうかー……なら行こう……」
足取りも重々しく、ゲーセンへと向かうすけきよカップル。
白い無表情なゴムマスクは、それでもそこはかとなく楽しげで。
チャーミーグリーンを使うと手をつなぎたくなる系のノリで。
野良犬すら二人を避けて通る。
気持ち悪がってるわけでは決してない。
ないと思う。
多分、きっと。
すっ、と耕一が肘を空けると、梓はためらうことなく腕を絡めた。
そんな二人のあたらしい関係。
そして、 家族の新しい日常はすけきよマスクとともに。
「いただきま~す……」
しわがれた声また声が、食卓にこだまする。
居並ぶ五つのすけきよマスク。
耕一から見て左手に、あたし。
正面に、襟足から長い黒髪をぶわっとはみ出させた千鶴姉。
持ち前の神秘的な雰囲気がより一層すけきよタッチな楓。
右方には、マスクからぴょんと一房飛び出た初音。
髪のほかには服で区別つけるほかないほどに、家族仲良くすけきよ。
もしくはアオヌマシズマ。
「……今日の飯も……うまそうだな……」(すげえ押し殺した声)
「ああ……腕によりをかけたからな……」(思いのこもったつぶれ声)
「明日は……わたしが……」(何か期待するようなすけきよヴォイス)
「千鶴姉は駄目だ……」(きびしさあふれるつぶれ声)
「くすん……」(悲しげなすけきよヴォイス偽善風味)
「……ごちそうさま」(どこか凛とした、でもかすれ声)
「いつも速いな……楓ちゃん……」(感心しっぱなしの押し殺した声)
「すごいよね……楓お姉ちゃん……」(かわいらしいけどやっぱりガラガラ声)
「初音ちゃん……そのアンテナはどこから出しているんだ……」(疑問系の押し殺した声)
「秘密だよー……」(照れ笑い含みのガラガラ声)
2003/03/03 (月) 05:04:13 ◆ ▼ ◇ [mirai]「……んっ」
なにかを言おうとしたけど、耕一は唇を離さなかった。
あたしはゆっくりと瞼を閉じ、耕一に身を任せた。
庭の方から吹き込んだ爽やかな秋の風が、あたしの髪をサラサラとなびかせた。
雲ひとつない青空から、眩い陽射しが射している。
今日もまた、暑くなりそうだ。
真っ白な光に包まれながら、あたしは耕一の唇を感じ続けた。
そ……っと、唇を離す。
真剣で、それでいてやさしい耕一の顔。
何か言わなきゃ。
そうだ。そうだよ。
あたし、耕一にまだきちんと自分の気持ち、言ってない。
もてあました感情をぶつけるばっかりで……昨日だって、言いたいこともろくにいえな
いうちに……。
ううっ、顔が、顔が赤……。
そうだ、きちんと言おう。
耕一にあたしの気持ちを伝えよう。
もうそんなことはお互い良く分かってるんだけど、これ以上やたらに言い合うことでも
ないのかもしれないけれど。
これは、あたしの決意表明。
あたしと耕一の、新しい関係。今までと違う、もう一歩進んだ二人のかたちのために。
小さな声でもいい、聞こえればいいから、
ちゃんと言おう……『耕一、好きよ』って。
うー! いざとなると駄目だなあ! 昨日はあんなに夢中になっていってたのに……あ
あなっちゃうといくらでもいえるんだけど、こう、昼間の光の下で、面と向き合って言う
となると恥ずかしいな……。
あー、でも言うぞ! 言うの!
すうっと深呼吸して。
ごくり。喉の動く感触。
『耕一、好きよ』
それだけのこと。言えないはずがない。
『耕一、好きよ』
その言葉を心に思い浮かべるだけで、鼓動がはねあがる。
ああっもう、あたしの心臓! すこし落ち着け!
『耕一、好きよ』
大丈夫、大丈夫。
落ち着いて。
「耕一……」
「ん?」
「す、すけきよ」
「え?」
「ううっ……」
泣き顔を人に見られるのがいやで、がっくりとうつむいている。
公園のベンチに、ぺたん、と腰かけたあたし。
ちくしょう、いつだってそうだ! いつだってあたしは、大事なときにきちんと言わな
きゃならないことが言えなくて……。
噛んだ……
一番大事なところで、
あたしの気持ちすべてがこもったひとつの言葉で、
思いっきり、噛んだ……
「なんだよ”すけきよ”てーーーーーっ!」
ああっ、もう! あたしのバカ!
その場さえ逃げられればどうでもいいと思って、無我夢中で駆け出してしまった。
耕一、なんて思っただろう……。
変な奴って思っただろうな。
やっと素直になれる。
やっと二人、今までと違った関係になれる。
やっと……あたしは耕一の『弟分』から、何か違うものになれると思ったのに……。
耕一……。
2003/03/03 (月) 05:02:56 ◆ ▼ ◇ [mirai]_にはまた浮いて貰いたい
>_ 2003/03/03 (月) 04:59:19 ◆ ▼ ◇ [mirai]> http://www6.big.or.jp/~ss2/upload/source/SS1153.zip
> はいヽ(´ー`)ノある日のフェレット
> スライドショートかで間隔短くしてから見ろよな
生後の写真は?
参考:2003/03/03(月)04時58分35秒
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