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2001/12/25 (火) 00:18:29        [mirai]
まず、主人公達の破滅に向かう状況が全て書き記されている「日記」が幾度か画面に登場しますが、それが「日記」であるからには、その破滅は実は過去に
既に起こってしまっている、ということになります。次に、あの島の住人はじいやが雇用してそれらしく演技をさせている、主要なスタッフは一人何役もこ
なして、ということも幾度か画面に登場します。つまり、あの島は、既に起こってしまった破滅をなかったことにするため、お馴染みの量子論のコペンハー
ゲン解釈によって、「演劇空間による現実の書き換え」をする場だったということになる訳で、これはけっこう新しいと私は感心しました。主人公がキリス
ト、妹達が12使徒になぞらえられている(13人目のユダまでいる)ことから、それだけの巨費を投じてもこの現実の書き換えは実行する意味があったの
だとも暗に示されていると思いますが、彼らだけが本人であったらしいことから、ある程度の時間への干渉も行われていたようで、よく時間の流れの象徴と
して描かれるメリーゴーラウンドが停止している、またその地下には何やら巨大な施設が存在している、というのも一度きりですが画面に登場します。さて、
帽子の少女の正体についてなのですが、「日記」の鍵、あれは1話で主人公を海から助けるとき、可憐ちゃんが持っていたものとそっくりです。また、帽子
の置き去られた別荘に行ったとき、可憐ちゃんだけが何やら悲しそうな表情を浮かべていました。この二つから、彼女に間違いないと思いますが、最後に帽
子を手に取ったのは成人女性のようでしたので、かつて「日記」を書いた大人の彼女こそが、と見るのが正しいかも知れません。

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