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2001/01/28 (日) 19:56:15        [mirai]
「イカとっくり」作り急ピッチ 岩手 
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 春からの本格的な観光シーズンに向けて、岩手・山田湾に面した工場で、
特産の「イカとっくり」作りのピッチが上がりつつある。夏場に作るとオ
レンジ色に変色してしまうが、この時期、冷たく乾いた潮風にさらされ、
やわらかな日差しを浴びたスルメで作ると、薄いあめ色に仕上がるという。
「とっくり作り体験」を売り物にした直売店もにぎわい、すでに品薄気味
だ。一つでも多く在庫を作っておこうと、工場はこれから忙しくなる。

 山田町の木村商店は40年ほど前からとっくりを生産している。工場わ
きの空き地では、つるされたイカがゆらゆら揺れていた。材料は、三陸沖
でとれた冷凍のスルメイカ。足や内蔵などを取って1日乾かした胴体に、
エアコンプレッサーで空気を入れると、まだ軟らかいイカが風船のように
ふくらむ。「パンッ!」。空気を入れすぎて、破裂するのもあった。

 ふくらませては、乾かし、またふくらませる。この作業を繰り返し、小
さなダイコンのような形になると、やっと「成形」へ。

 工場責任者の昆礼子さん(46)が、スルメの先っぽを内側に押し込ん
で「底」にし、木のへらで形を整えていく。「どんなサイズや硬さのスル
メでも、もう手が覚えてしまいましたから」。小学生のときからとっくり
を作っている昆さんは、30秒ほどでとっくりを1個、仕上げてしまった。

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