萌えて楽しむアニメ シスタープリンセス RePure 近年のアニメでは、作品の世界の全体や物語を味わうよりも、 一部分の設定や特定のキャラクターに熱烈に入れ込む、すなわ ち「萌え」るという楽しみ方が一つの主流になっている。この 方向性を突き詰めれば、出来るだけ多くの「萌え」要素を一作 品に盛り込むのが効率的だということになる。その意味で、こ れは究極の「萌え」アニメだ。 もともと雑誌の読者参加企画から始まったとは言え、主人公(?) に十二人もの妹がいて、みんな兄のことが大好きだという時点 で普通の物語は成り立たない。しかし妹たちのキャラは、スポー ツが大好きな衛、眼鏡っ子の鞠絵、料理が得意な白雪など、考 え得る典型的なタイプを網羅しているのだ。このような作品が 一定の支持を集めること自体、アニメ観賞のあり方の変化を如 実に示していると言えるのではないか。 などと客観的に書きながら、実は衛にほのかに「萌え」ている 自分がいる訳だが。(福)