ここで、百歩譲って、ユダヤ人が昔、パレスチナに居住していた事実からみて、ユダヤ人たちが現在のパレスチナへ帰る権利があるとしよう。 そうなると、当時居住していたセム族系のユダヤ人たちは当然、その権利がある。 だが、現在のイスラエル人たちのかなりが、人種的にユダヤ人ではないのだ。旧カジャール族系が多数混ざっている。 この事実を隠すために、ユダヤ人とは何かを規定するのに、「ユダヤ人は人種ではなくユダヤ教徒である」としているのだ。 カジャール族とは何か? 十六世紀、ボルガ流域にあった王国の民である。当時、周囲から圧迫を受け、それに対抗するために、南のユダヤ王国に助けを求めた。 その際、国王以下、全国民がユダヤ教徒に改宗したのである。 ロシア・東欧圏のユダヤ人たちは、このカジャール族の子孫とみられる。 以上から解るとおり、イスラエルとは「民族国家」ではなく、「領土を持った宗教組織」なのである。 カジャール族の改宗者たちの子孫に、パレスチナ領土に対する歴史的権利がある筈が無い。