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2018/09/07 (金) 12:20:44 ◆ ▼ ◇ [misao]吉田氏:
そうですね。結構なコアプレイヤーです。子供の頃からやりつくすタイプで,1つのゲームを何百時間もやっちゃう人間でした。
ファミコンの「ゴルフ」とか,パズルのように遊んでましたし。「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」(以下,3rd)のときも,
負けず嫌いなんで勝つために会社を辞めようかと迷った時期があったくらい(笑)。
原田氏:
え,なんですかそれ。ちょっと脱線しますけど,詳しく聞いていいですか(笑)。どういうことなんです?
吉田氏:
僕は反応速度とか感覚で戦うタイプじゃなく,すべての状況に対応したアルゴリズムを自分の中に作るプレイヤーだったので,
とにかく何度も同じ対戦を繰り返してそれを構築するという,言わば根性型でした。それまではある程度のプレイでもなんとかなっていたのですが,
3rdに至っては,「これはゲーセンの開店から閉店まで,ずっとやってないと勝てない!」と思ったときに,これはもう会社を辞めるしかねえ! と(笑)。
吉田氏:
「2nd」まではイケたんですよ。誰と対戦しても結構な確率で勝つことができた。それが「3rd」で赤ブロ※が導入されたとたん,
どうにもならなくなって……20~30連勝できてた相手にも勝てなくなってしまった。そこで世代が変わったのを実感しました。
あの完璧なまでのゲームデザインが,逆に当時の格闘ゲームにトドメを刺してしまったのだと思います。MMORPGにおけるWoWと同じで。
原田氏:
そうなんですよ。あれからストリートファイターは,「IV」までの10年間続編がでなかった。後で聞いた話だと,
「これ以上の2D格ゲーが果たして作れるのか」という思いがあったみたいです。
吉田氏:
それはプレイヤー側も同じなんです。2D格ゲーの究極を見せられてしまったわけですから。
あれほど正々堂々としたゲームはないですし,だから「3rd」は今でもトーナメントが開かれている。
格ゲーを再構築することで,やっと「IV」は前に進めた。すごいと思いました。だから「IV」は僕も楽しく遊べたんです。
「V」は忙しくてプレイできずにいますが,「IV」はあの割り切りがよかったのでしょうね。
原田氏:
「IV」のローンチのとき,僕は(カプコンの)小野さんに「IVのコンセプトって何?」って聞いたんですけど,
彼は「同窓会!」って言ってました。それを聞いて,「やっぱりね」と思ったものです。
吉田氏:
ガンダムでいうと「0083」ですよね。「3rd」を超えられるわけじゃないけど
「ストリートファイターが好きだった人達が作ったゲーム」,という感じがすごくするんです。
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