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2017/03/22 (水) 01:18:31        [misao]
1973年夏の事件
 
大学では、山崎敏光先生にお世話になりました。卒業論文はないのですが、大学4年生で研究室に配属になり、特別実験をやります。
山崎先生の研究室紹介はこの通りでした。まず、「バークレーで実験準備をしている」。それから、「研究室は本郷にない」。
ただし、「夜はサイクロトロン(円型の加速器)を使える」。そして最後に、「僕はとても忙しいから、あなたがたの面倒は見られない」と言い放ちました。
それをとても楽しそうに言っておられたのが印象的でした。
 
白金の医科研の隅に、サイクロトロンはありました。そこで1973年の夏、事件が起こります。
女性技官がサイクロトロンの部屋から出ようとすると、警報が鳴り響きました。体をサーベイメータ(放射線測定器)で調べたら、全部が汚染されている。
技官はたちまちシャワー室に行き、残った皆で辺りをサーベイします。すると、実験室の中は汚染されていない。汚染は廊下で見つかりました。
足跡です。技官は外から歩いてきた。どうも外が汚染されている。外は雨でした。葉っぱに黒い付着物がありました。
「ゲルマニウム半導体検出器を持ってらっしゃい」ということで、これを測りました。
そこで先生が「これはフォールアウトに違いない」と仰った。あとで新聞の縮刷版をみると、中国が核実験したものをみていたようです。
 

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