ここはゼラバンカ、レイテの古戦場。 今ではゼラバンカの草原に足を踏み入れる者は稀にしかいない。 耳を澄ます時、どこからともなく2人の男の雄々しく無残な運命を語るつぶやきが聞こえてくる。 ここで、このエンジンが鼓動を止めてから、もう50年近い歳月が流れた。 全ては永遠の眠りにつき、赤錆びた機銃は二度と火を吹く事はないのだ。 雨に打たれ、風にさらされ、焼けつく太陽に照らされながら、そのエンジンは語る。 あの二人の男の鉄と血の物語を。