> 2006/04/07 (金) 19:02:32 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> > 「何したんや!?」
> > 「何も」
> > ちよちゃんは答えた。
> > 「技さ」
> > 「技やて!?」
> > 「技術だよ」
> > 「な、な──」
> > 大阪は、言葉にできない声をあげた。
> > 「何がおこったか大阪さんにはわからんだろうが、これは神秘な力でもなんでもないよ」
> > 「──」
> > 「これは技術さ」
> > 「技術やて?」
> > 大阪は、歯を噛みながら、割れた割り箸を見つめていた。
> > 息をするのさえ、忘れてしまいそうであった。
> > 割れるのか。
> > そう思う。
> > ただの割り箸が、ここまできれいに割れるのか。
> > できるのか。
> > やれるのか。
> > やれるのだと、ちよちゃんの笑みが言う。
> > できるのだと、手にした割り箸が叫んでいる。
> > さっきの自分の割り方などとは、根本的に違う。
> > 研ぎ澄まされた日本刀で、何もかも根こそぎ断ち切るような割り方。
> > 大阪は、それを見ていた。
> > 膝が、がくがくと震えていた。
> > 何か、凄まじいものが、背を駆け抜けている。背を駆け登ってゆく。
> > 駆け登って、脳天に突き抜ける。
> > 駆け登っても、駆け登っても、突き抜けても突き抜けても、まだ終わらない。まだ足らない。
> > 自分の背の底に、何か巨大な力の塊が、無尽蔵にあって、それが次から次に背を駆け登ってゆくようだった。
> > 震えるな。
> > 震えるな。
> > 身体の震えを、止めようとしても止めようとしても、止まらない。
> > なんという。
> > なんという。
> > まったく、なんというものを見たのか。
> > なんという割り方なのか。
> > 今、眼の前に見たばかりのとてつもない光景。
> > それは、自分は、本当に見たのか。
> > 大阪は、震える足を、前に踏み出した。
> > ちよちゃんに向かって。
> > 「どうしたい、え?」
> > ちよちゃんが言った時、ようやく、大阪が口を開いた。
> > 「あたしに・・・・・・」
> > 大坂は、やっと言った。
> > 「あたしに、割り箸の割り方を教えてくれへんか──」
> なにこの夢枕獏早くキマイラ終わらせてくださいよ
自己レスするとIPが表示されるよ
参考:2006/04/07(金)18時56分55秒