>  2006/04/07 (金) 19:02:32        [qwerty]
> > 「何したんや!?」 
> > 「何も」 
> >  ちよちゃんは答えた。 
> > 「技さ」 
> > 「技やて!?」 
> > 「技術だよ」 
> > 「な、な──」 
> >  大阪は、言葉にできない声をあげた。 
> > 「何がおこったか大阪さんにはわからんだろうが、これは神秘な力でもなんでもないよ」 
> > 「──」 
> > 「これは技術さ」 
> > 「技術やて?」 
> >  大阪は、歯を噛みながら、割れた割り箸を見つめていた。 
> >  息をするのさえ、忘れてしまいそうであった。 
> >  割れるのか。 
> >  そう思う。 
> >  ただの割り箸が、ここまできれいに割れるのか。 
> >  できるのか。 
> >  やれるのか。 
> >  やれるのだと、ちよちゃんの笑みが言う。 
> >  できるのだと、手にした割り箸が叫んでいる。 
> >  さっきの自分の割り方などとは、根本的に違う。 
> >  研ぎ澄まされた日本刀で、何もかも根こそぎ断ち切るような割り方。 
> >  大阪は、それを見ていた。 
> >  膝が、がくがくと震えていた。 
> >  何か、凄まじいものが、背を駆け抜けている。背を駆け登ってゆく。 
> >  駆け登って、脳天に突き抜ける。 
> >  駆け登っても、駆け登っても、突き抜けても突き抜けても、まだ終わらない。まだ足らない。 
> >  自分の背の底に、何か巨大な力の塊が、無尽蔵にあって、それが次から次に背を駆け登ってゆくようだった。 
> >  震えるな。 
> >  震えるな。 
> >  身体の震えを、止めようとしても止めようとしても、止まらない。 
> > なんという。 
> >  なんという。 
> >  まったく、なんというものを見たのか。 
> >  なんという割り方なのか。 
> >  今、眼の前に見たばかりのとてつもない光景。 
> >  それは、自分は、本当に見たのか。 
> >  大阪は、震える足を、前に踏み出した。 
> >  ちよちゃんに向かって。 
> > 「どうしたい、え?」 
> >  ちよちゃんが言った時、ようやく、大阪が口を開いた。 
> > 「あたしに・・・・・・」 
> >  大坂は、やっと言った。 
> > 「あたしに、割り箸の割り方を教えてくれへんか──」 
> なにこの夢枕獏早くキマイラ終わらせてくださいよ

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参考:2006/04/07(金)18時56分55秒