三菱UFJの利益を大きく膨らませた要因の一つが、 過去に積んだ不良債権処理のための費用の「戻し益」です。 融資の焦げ付きに備えて積んでいた貸倒引当金が、 融資先の経営が再建されたために不要になり戻ってきたものです。 多くが旧UFJ分です。ダイエーなど七つの大口融資先の 不良債権の抜本処理を迫られた旧UFJ銀行は、公的資金も 使って強引に処理を進めました。 大幅なリストラや地域経済への犠牲を伴った処理の結果、 ダイエーなどは黒字に転換。旧UFJが貸し倒れに備えた 引当金は不要になりました。三菱UFJの場合、その額は 6089億円にものぼります。