フェティシストの兄はいくじなし フェティシストの兄はいくじなし それでも ボクの姉さんと恋に落ちました フェティシストの姉はかわいくて フェティシストの姉はかわいくて それでも 根性なし男と恋に落ちました ぼくの姉さんは美しかったが 若くして死んだ 姉は美しかったがイカレていた フェティシストだった 空模様の機嫌が悪い日には 夕暮れまで近所をうろつきまわった 葬式の夜 姉さんの恋人と称する男がやってきて ぼくに言った 「ケンジ君 これからはぼくを 兄さんだと思ってくれ」 その夜 兄さんは ぼくの手を握ってこう言った 「君の姉さんとは理解しあっていたよ」 やがて彼は感極まったのか ボロボロと涙を流し始めた ぼくの手を握りながら 涙を流し始めた その手は妙に暖