2000/02/29 (火) 17:26:33      [mirai]
■中小企業の業況がなかなか回復しない。とにかくモノやサービスが売れ
          ない、競争や受注先からの厳しい要請で単価が引き下げられ、採算の取れ
          ない仕事が増えている。赤字のタレ流しが続き、これからもさらに厳しくなり
          そうだ。何とかして早く脱出しなければと必死になっているが、どうすればい
          いのか分からない。こんな状態がもう何年も続いている。これからどうなるの
          か本当に不安である。廃業や倒産のことも頭をかすめるが、個人資産をす
          べて担保に出しており、その借金も大きすぎる、だからそれだけはどんなこ
          とがあっても避けたい。これが資金繰りに追われている多くの経営者の本
          音である。

          ■こうした経営者を目の当たりにすると、信用保証協会の特別保証制度や
          ペイオフ解禁の1年延長などの優遇策は、当面の急場を凌ぐために必要な
          対策のように見えてくる。たとえ短期間であっても生き延びようとする。もし
          かしたらその間に立ち直るきっかけが掴めるかもしれない。そう考えている
          経営者に対して、廃業しなさいとか、まして倒産するのはやむを得ないとは
          言えない。しかしそのような安易な資金援助やモラトリアムの対策では多く
          の場合、企業経営を立て直すことが出来ないというのも客観的な事実であ
          る。企業は資金繰りに追われるようになったら、まともな経営が出来なくな
          り、その時点で事実上「終わっている」のである。

          ■そこで一日も早く景気が回復することが望まれる。しかし今回の長期不況
          で連続赤字に陥り、借金返済に行き詰まり、銀行が貸し渋りや回収を強め
          ている企業は、すでに不況によって資産を食い潰し、再建不能企業として選
          別され信用を失っているのであり、景気が仮に回復しても銀行や取引先か
          ら相手にされず、消滅していく可能性が強いのである。

          ■まして景気の回復といっても、政府目標でさえ0.6%とか1%成長のレベ
          ルであり、かつすでに財政は国、地方とも事実上の破綻状態にある。異常
          なゼロ金利政策でかろうじて支えているが、それは銀行の国債買いやネット
          バブルといわれる株価上昇などの現象を生じ、それが金利上昇への圧力を
          高めている。何かが狂っているのであり、かつてのような消費と設備投資の
          好循環による景気回復は望めそうもない。