萌え 2000/03/02 (木) 04:15:34      [mirai]
ゆかり 投稿者:ゆかり  投稿日:12月12日(土)02時02分40秒

      「このブタがさ、あんたのこと、好きだってさ、
      お礼に、あんたの処女、こいつにあげることにしたのよ」
      リーダー格の少女がおかしそうに由香里に言った
      「そ、そんなのいやよ。できるわけ、ないでしょ」
      予想通りの反応に少女は満足そうに目を細めた。
      さらに意地悪く続ける。
      「何気取ってるの、ブタが好きなあんたも雌ブタって決まったのよ。
      ブタのくせに西尾君に抱いてもらうつもりだったの?ずうずうしい。
      ブタはブタ同士、交尾してればいいのよ」
      交尾だなんて・・・
      あまりの言われように声も出なかった。
      少女は由香里が今日、西尾隆から告白されたことに腹を立てているのだった。
      悪い気はしなかったが、返事は保留している。
      それが彼女たちにはお高くとまってる、と写ったのかもしれない。
      ことさら由香里を貶め、屈辱を味あわせようと決めているのだ。
      そのために少女は全校一の嫌われ者、嘲笑と侮蔑の的である少年に目をつけた。
      明るく、気立ての良い、クラス委員も務める人気者の少女と、
      陰湿で不潔な体臭を常に漂わせる、嫌われ者の男。
      獣姦並みの取り合わせである。
      由香里はこれまでその少年、二見を平等に扱ってきたつもりであった。
      断じてクラス委員としての責任感からである。
      この年頃の少女が当然そうであるように、やや潔癖症のきらいのある由香里にとって、
      この少年は最も遠ざけたい存在であり、口に出してこそ言わないが、
      近くにこられると吐き気がする、とさえ思っていた。
      その少年に、処女を捧げることを強制されているのだ。