「はぁっ…はぁっ…」
…荒い息。
「………」
「浩平…」
じゃあオレはどうしてこんな場所にいたんだろう…。
もっと遠くへ、こいつの知らない場所まで逃げておく
べきだったんだ。
「置いていっちゃうなんて、ひどいよ…」
もっとひどいことをしているだろ。
「ね、浩平…」
わかっていたんだ。
「寒いね…」
だからオレは自分を許してしまうのが怖かったんだ。
「ほら、はぁーーっ…て」
こいつは…長森は…
オレを許してしまうんだからっ…。