2000/03/08 (水) 03:35:37      [mirai]
そう・・・。
                 彼女は部屋にいた。
                 虚ろな目をした彼女(K子)は、青白い顔で部屋から現れた。
                 なぜ、こんな事に・・・・。
                 誰かに話したかったんだろう。
                 私の嗅覚どおり、やはり彼女は「あっちの世界ゾーン」体験者だった。
                 彼女が体験した恐怖とは・・・・。
                 9日前の夜、K子は女友達(N子)の家で酒を飲んでいた。
                 其処にN子の彼氏(M)が現われた。
                 Mは全然酒が飲めなかったが、話し上手なので場は盛り上がった。
                 よく有るパターンで、そのうち話は「怪談」になっていった。
                 Mが、「キャシー中島トンネル事件」を
                 自慢げに話し出したのは深夜の3時を少しまわった時だった。
                 むかし、キャシー中島と言う女優がいた。
                 ある日の真夜中、4人の友人達とお化けを見に行こうと言う事になり、
                 幽霊がよくでるトンネルに車で向かった。
                 (私は このトンネルの名前は忘れてしまった。)
                 彼女等の期待とは裏腹に、トンネル内では何も起こらなかった。
                 しかし、トンネルから出たとたん。
                 「ドォーン!」
                 何かが車の天井に落ちてきて物凄い音を発てた。
                 急ブレーキ!!
                 慌てて車から外に出る。
                 しかし、天井には傷一つ無かった。
                 落ちて来た物すら見当らなかった。
                 が・・・・。
                 車に乗り込もうとドアをあけた途端に悲鳴!
                 泥だらけの巨大な手形が。
                 フロントガラスに、泥で人間の大きな手形が付けられていたのだ。


                 悲鳴!悲鳴!悲鳴!


                 余りの恐怖に、彼女らは車を置いて逃げ出した。


                 ・・・・A君がいない。

                 数百メートル走った所で、彼女等は気付いた。

                 逃げ遅れたのか?

                 どうやらA君は、車に乗ったままのようだ。

                 4人が恐る恐る車に戻ると・・・。


                 A君は目を大きく見開き口から泡を噴いていた。

                 ・・・A君は「あっちの世界」に旅立っていた。



                 ・・・今でもA君は入院しているのである。

                 A君を恐怖で、狂わせたモノとは?

                 A君はいったい何を見たのだろうか?

                 (当時、本当にAが入院していたらしく、かなり話題になった。)


                 「俺も、これとよく似た呪われたトンネルを知ってるんや。

                 今から行こか?A君が見たモノが何か、わかるかもしれんぞ。」


                 3人は、Mの車で呪われたトンネルに向かった。

                 そのトンネルが、「あっちの世界ゾーン」の入り口とも知らずに・・・・。