2000/03/08 (水) 03:35:37 ▼ ◇ [mirai]そう・・・。
彼女は部屋にいた。
虚ろな目をした彼女(K子)は、青白い顔で部屋から現れた。
なぜ、こんな事に・・・・。
誰かに話したかったんだろう。
私の嗅覚どおり、やはり彼女は「あっちの世界ゾーン」体験者だった。
彼女が体験した恐怖とは・・・・。
9日前の夜、K子は女友達(N子)の家で酒を飲んでいた。
其処にN子の彼氏(M)が現われた。
Mは全然酒が飲めなかったが、話し上手なので場は盛り上がった。
よく有るパターンで、そのうち話は「怪談」になっていった。
Mが、「キャシー中島トンネル事件」を
自慢げに話し出したのは深夜の3時を少しまわった時だった。
むかし、キャシー中島と言う女優がいた。
ある日の真夜中、4人の友人達とお化けを見に行こうと言う事になり、
幽霊がよくでるトンネルに車で向かった。
(私は このトンネルの名前は忘れてしまった。)
彼女等の期待とは裏腹に、トンネル内では何も起こらなかった。
しかし、トンネルから出たとたん。
「ドォーン!」
何かが車の天井に落ちてきて物凄い音を発てた。
急ブレーキ!!
慌てて車から外に出る。
しかし、天井には傷一つ無かった。
落ちて来た物すら見当らなかった。
が・・・・。
車に乗り込もうとドアをあけた途端に悲鳴!
泥だらけの巨大な手形が。
フロントガラスに、泥で人間の大きな手形が付けられていたのだ。
悲鳴!悲鳴!悲鳴!
余りの恐怖に、彼女らは車を置いて逃げ出した。
・・・・A君がいない。
数百メートル走った所で、彼女等は気付いた。
逃げ遅れたのか?
どうやらA君は、車に乗ったままのようだ。
4人が恐る恐る車に戻ると・・・。
A君は目を大きく見開き口から泡を噴いていた。
・・・A君は「あっちの世界」に旅立っていた。
・・・今でもA君は入院しているのである。
A君を恐怖で、狂わせたモノとは?
A君はいったい何を見たのだろうか?
(当時、本当にAが入院していたらしく、かなり話題になった。)
「俺も、これとよく似た呪われたトンネルを知ってるんや。
今から行こか?A君が見たモノが何か、わかるかもしれんぞ。」
3人は、Mの車で呪われたトンネルに向かった。
そのトンネルが、「あっちの世界ゾーン」の入り口とも知らずに・・・・。