◆鉄のかたまり飛び込み、車内に悲鳴　日比谷線脱線事故  
 
 事故を起こした電車の乗客らによると、事故の様子は次のような
ものだった。車内は朝の通勤時間帯にしてはすいており、立っている
人は１車両で数人ほどだった。

　中目黒駅を発車して地下に入る直前、急ブレーキ音がして大きな
衝突音がした。進行方向左側に向いて立っていた会社員の戸口秀樹さん
（２９）は振り向きざま、右側の窓ガラスを破って大きな鉄のかたまり
が車内に飛び込んできたのを見た。

長さ５、６メートルの円柱状のものだった。戸口さんはそこで初めて
対向電車とぶつかったことに気付いた。鉄のかたまりに数人の人が
倒され、下敷きになった。

人が押しつぶされ目玉が飛び出し頭蓋骨がスイカの様に割れ肩からは
腕の骨は皮膚を突き破って露出している。そんな人に見つめられ助けを
求められる・・・・。乗客らで鉄のかたまりを持ち上げてけが人を
助け出した。中目黒駅の駅員や工事の作業員らが現場に近づいてきたが、
動きがゆっくりとしていたため、乗客らが窓から「早くしろ。走れ。
早くドアを開けろ」「けが人がいるので早くタンカを持ってこい」と
叫んだ。

　車両はぶつかった側の壁が大きくめくれあがるようにはがれ、外から
車内が見通せるほどだった。駅員らがようやく救助にとりかかったのは、
事故後５分以上たってからだった。(11:04) 
 
http://www.asahi.com/0308/news/national08005.html