2000/03/09 (木) 02:18:36 ▼ ◇ [mirai]>営団側のコメントもありましたし。
>どんな原因が考えられるのでしょうか?最後尾車両の1両前
上記の枕木の傷などで脱線位置の特定など出来そうですし、綿密な
検証で早晩明らかになるでしょう。車輪とかも見るでしょうね。
ドイツのICEが直線でいきなり中間車(2両目くらいでしたっけ?)か
らというケースでは車輪の破損だったわけですが、あれはエアサス
をあまり使わない欧州の車両で、乗り心地向上のために踏面とホイー
ルの間に緩衝材を挟んだ、いわゆる弾性車輪になっていて、日本の
ように高速車両ではホイール/タイヤの構造(焼きばめ式とか言うら
しい)を徹底的に嫌って一体車輪となっている場合はちょっと考え
られないという話でした。
仮にレールも車輪(台車)も破損や支障無しで外れたというと、レー
ルを外した側の車輪から荷重が抜けて、フランジ(車輪のレールを
引っかけるところ)がせり上がるというのは、脱線の事例としては
有ると思います。状況は異なりそうだと書きましたけど、過去2軸
貨車で頻発した由の競合脱線とか呼ばれた物も、とどのつまりは
ある車輪から荷重が抜けてレールをトレースしなくなったという
事でしょうし。
通常の電車のようなボギー車の場合は、2輪を軸で結んだ車軸を2軸
ずつ台車として構成し、これを前後に2対使いますよね。車体との
荷重の受け渡しは枕バネで、各台車の前後方向中央左右に2つずつ、
計4つ(4点)です。
走行時にこの4点への荷重の掛かり方の不均等が起きると、何れか
の車輪の脱線に対するマージンみたいな物が低下するようなことを、
業界向けの雑誌(「電気車の科学」休刊のまま)で読んだことがあり
ます。上で「曲がっていて勾配にも掛かる」事を書きましたが、曲
線から直線に移るところでは車体を傾けるために2本のレールに高
低差を付ける「カント」が終了するわけですが(過渡的に2本のレー
ルに違う勾配が付いている)、車体は「カント」を抜けた前台車(の
繋がる枕バネ)は水平だし、後台車はまだ傾いていたりで、結局は
枕バネの撓みで吸収しながら徐々に水平に戻って行くわけですね。
こういう時に、各枕バネに掛かる荷重の割合は絶えず変化している
であろうことは素人目にも想像付きますけど、このへんでどうも脱
線に対する「マージン」(設計上はどう運動しても、安全範囲にな
るようにはしてあるはず)は必ずしも一様ではないようなんですね。
前後台車の傾斜角度の差で、台車と車体の関係が一様でないのを吸
収することは、枕バネの撓みだけでなく、軸バネによる自由度とい
うのも勿論関係するようです。
この車は同じ所を何千何万回通ってきたはずと書きましたけど、車
両が代替わりする前は東急の7000系なんかも走っていまして。これ、
コイルの軸バネを省略したパイオニア型台車(他社のエコノミカルと
いうタイプと類似)なんですが。そういうのなんか本当に荷重の低め
な足が浮いたりしないのか?と思うんですが、台車の梁の撓みとか、
軸支持部の柔性とかで持っているそうで。で、今時の設計の台車だっ
たら追従性に関して技術が上がっている分もっといいハズなんですが。
#なんか自信のある説明ではないんですが。
で、この辺の話が出ていた記憶というのは、営団の半蔵門線用の新
車の開発話で。曲線中のホームとかが多くて、駅で何両目かが前の
台車は水平だが後ろはまだカントに掛かっているような所で停車し、
発進時にその荷重の分布のばらついている姿勢からトラクションを
掛けていくことになると(いう話だったと思います)。その時、脚回
りの設計上の設定で取った安全範囲に依存するだけじゃなくて、各
枕バネ(空気バネ)の内圧をアクティブコントロールし、各輪重を均
等に...なんてメカの解説がありました。量産装備だったかちょっと
失念しましたが(_o_)
何でそれを思い出したかというと、確かに同じ場所を同じ速度で何
十年も電車が通過していたところですが、100%同じ条件の通過とい
うのもひょっとすると二度と無いのではと。ATCを使っているとは言
え手動運転の要素が大きいですから、加減速タイミングも100回通れ
ば100回違うでしょうしね。その上で車両の中の人数、乗っている人
の分布なども毎回違うと言えば違う。
最後尾には動力が無く、加速に関しては全く受け身だし、原則に関
してもインバータ制御の世代だと電力回生を優先で掛ける都合でブ
レーキ力を各車不均等(こういうトレーラーのブレーキ力も動力の
ある車で賄う)にするのが今は(規制緩和の上で)使われていますか
ら、連結器を介した荷重のやりとりは結構複雑にある。
この上で、各輪重をアクティブに均等コントロールするシステムで
も無ければ、記したように「安全マージンを充分に取る」ことに依
存したメカなんだと一応理解していますので。出現確率の極めて低
い不幸な偶然で、ある車輪がレールをトレースしきれなかったとい
う可能性が全くないとも思えませんので。
引き合いには拙いかなと重々思うのですけど、貨物の競合脱線多発
の頃は、それこそ線型のいい真っ直ぐといって良いようなところで、
車輪がレールを外してしまっているわけです(現代の電車よりはるか
に走行性が悪かったわけですが)。
今までの運行実績が(東横・横浜事故の時なんかと比べて)充分にあ
る車両だけに本当にまさかとは思うのですが、自分の理解が正しけ
れば車両の前部カーブ外側の車輪は、曲線を抜けてレールが水平に
戻っていく時に、二つの台車一つの車体の位置関係からは、あとの
台車より先に戻ることから荷重は抜け気味かもなと。ただ、遠心力
(十二分に低い速度で曲がったら寄与が小さいかも知れませんが)で
の荷重移動がそこで一気に抜重しているのかな?というのがあって、
結局わからないんですが。
#その辺も複雑に絡むと、(極めて低い確率で)設計上のマージンを
#越える要素かも...と書くと、無責任の極みな感じが(_o_) あとは
#公式な調査を待ちたいと思います。
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*(財)高輝度光科学研究センター SPring-8 /加速器用務員(^^;古寺正彦
*'95 Volks Wagen Golf GTI 16V (145PS 5MT RHD) & ZZR250
*kodera@spring8.or.jp