> サルトルの実存主義について考えてみる さて、ここで小話を一つ。 かのビートたけしは、学生時代馴染みの蕎麦屋で働く女店員のチイちゃんを、 どうにかしてくどこうとする。 女性の扱い方をまったく心得ていなかったたけしは、しかし、気後れする心を奮いたたせる 策略が一つだけあった。「実存的」にいいよればなんとかなる。 という思い込みである。盛り蕎麦を頼んだついでにたけしは、逆上しながら、こう口走る。 「あのさ、人間というものはさ、根本的に無の状態で生まれたものなんだよね。だからこそ 対他的に、社会的にさまざまな問題にアンガージュしていって、それぞれの自己の実存を 実現しなきゃならないだろ? そこで、だからぼくは、君にアンガージュして僕と君の実存を超越しあいたいと思ってるんだけど」 「バカじゃないの」 そう吐き捨てて厨房に立ち去るチイちゃんを呆然と見送りながら、 たけしはこうつぶやくのだ。 「サルトルじゃダメか」 参考:2000/03/14(火)20時29分16秒