2000/03/16 (木) 20:45:03      [mirai]
◆再起かけた横綱若乃花、引退へ


 大相撲春場所は十六日、大阪府立体育会館で五日目が行われ、進退をかけて
臨んでいた横綱若乃花(29)(本名・花田勝、東京都出身、二子山部屋)は、
関脇栃東に敗れ、序盤戦で早くも三敗となった。若乃花は「ここまできたら、
やれるところまでやりたい。集中力も切れていない。怖いものはない」と引き
続きの出場に強い意欲を見せていたが、同日夜、引退することになった。

 この日は、栃東に防戦一方となって押し出された。前日は「(東京・明大中
野高の)後輩なので頑張りたい」と話していたが、取組後は「栃東とやれて良
かった」と語り、真意を聞かれると「自分がそういう立場になったということ」と、覚悟とも受け止められる言葉を口にした。

 父親でもある師匠の二子山親方(元大関貴ノ花)は連敗した三日目の夜、
「若乃花の気持ちは分かっている」とだけ話し、連日、取材を避けていた。

 こうした状況に日本相撲協会の時津風理事長(元大関豊山)は「相撲を取り
続けると言っており、気持ちの整理もついている。それだけで私はいいと思う」
と見守ってきた。

 昨年秋場所で負け越した若乃花は、横綱審議委員会の休場勧告を受け入れ、
二場所連続休場した。今場所前、「次の夏場所で再起をかけては」という周囲
の声もあったが、出場に踏み切っていた。


(3月16日20:31)