俺はある意味、そうそう出会えることのない光景にしばし見とれていた。 なんと言ったらいいのか、浜辺で一心不乱に産卵している海がめを 観察しているような心境といったら理解してもらえるだろうか? このチャンスを見過ごして、そのまま部屋に戻るのは、なんとなくおしい。 心の中に葛藤はあったが、俺は意を決して声を掛けることを試みた。 つづく