と、ふいにヤツは振りかえり戦利品である雑誌類を両手に抱えて、 20㍍ほど離れたところに置いてある、それもどこかでかっぱらって きたであろうと容易に想像できそうなコ汚い自転車のところに歩いて いくのだった。 俺には一瞥もくれない。まるで道端の石ころのように無視していきやがる。 俺の存在はとっくに知っていたということか。なんだか悔しい。 その心境は熟練の仕事人の横で、手伝いたいけど何もできない新人 のような寂しさとも言えた。 アホのように道の真中にボケッと突っ立っている俺は無視された ジェラシーも手伝って、逆に声を掛けなければいけないような強迫観念 に襲われた。 つづく