「ゴーマニズム宣言」批判本、一部改変と認める判決 

                                            　漫画家の小林よしのり氏（４６）が、同氏のベストセラー
                                            「ゴーマニズム宣言」の内容を批判した本の著者と出版
                                            元を相手取って「漫画のカットを無断で引用されたり改変
                                            されたりして著作権を侵害された」として出版差し止めと
                                            約２６００万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が
                                            ２５日、東京高裁で言い渡された。山下和明裁判長は、
                                            小林氏の請求をすべて棄却した一審・東京地裁判決の
                                            判断を大筋で支持したものの、漫画のコマのレイアウトを
                                            変更して引用した一部分について「改変」と認めて、その
                                            部分を掲載した本の出版、販売を差し止め、批判本の著
                                            者らに対して２０万円を支払うよう命じた。

                                            　問題となったのは、１９９７年１０月に出版された「脱ゴ
                                            ーマニズム宣言」。著者の上杉聡・関西大講師（５２）と
                                            出版元の東方出版が訴えられていた。

                                            　山下裁判長は、引用の正当性を認め、描かれた顔に
                                            「目隠し」を入れた行為についても「やむを得ぬ改変」とし
                                            た一審判決の通りに判断した。そのうえで、引用のうち、
                                            横に並んでいた２つのコマを引用時に上下２段に変更し
                                            た一部分について「元の本の表現を不当に軽視した改
                                            変」と述べて、著作権侵害を認めた。

                                            (12:33)