> 2000/06/03 (土) 01:52:07 ▼ ◇ [mirai]> 部落
1.新潮社
新潮社発行の「現代詩手帖」1977年10月号に載った古賀忠昭氏作の散文詩が問
題化した。母親が被差別部落出身で自分の子どもの少年を連れて再婚した。
酔った夫がその被差別部落出身の妻に酔っぱらっては醜悪な性的行為を要求する。そ
れを見た連れ子の少年が怒って母親にそんなことをするなと止めるが、母親が夫の求め
を拒めずに行う。そこで少年が怒った末に義父を包丁で刺す、というもの。
この作品の中で、酔った夫が母親に対して「けだもん」「エッタ」ということばを連
発する。そして母親が少年に「部落もんと部落もんじゃなかもんとでは雲と泥のごとニ
ンゲンの違うとよ。そんこつば忘れんごつせんとでけんよ」「今度の父ちゃんは部落も
んやなかとよ。そんヒトがうちのごたる部落もんばもろうてくれたとよ。それとに文句
まで言いよったらバチのあたる」と述べている。
作者は部落解放同盟(以下 、「解放同盟」と略)の糾弾に対して、部落差別の深刻な
状況を描いて反差別の詩を書くつもりだったと弁明したが、同作品の中には「エッタ」
ということばが17回も出てきたり、子どもに対しての母親の被差別部落についての説
明が普通の人間と違うといった風に差別的に書かれている。「エッタ」ということばが
明らかに詩の衝撃力として使われている。作者は被差別部落の生活とか現実について実
際に調べたり知識をもっていなかったようで、二度の確認会の後、差別作品だったこと
を認めて謝罪した。
参考:2000/06/03(土)01時51分19秒