2000/06/21 (水) 23:49:02      [mirai]
*水瀬 名雪
 父親:死別? 母親:秋子様
  現在まで母親と同居中の為、愛情の対象は全て母親に向けられていた。
  遠い記憶の中にある、1人の男の子を除いて………。
  祐一との関わりの中、次第に高まっていく「母親への愛情」とは違う何か………。
  唐突な母親の事故。愛情を向ける対象が消えてしまう。
  「わたし、もう笑えないよ。笑えなくなっちゃったよ………」
  生きる事への意欲を無くし、ただ一人ごちる………。
  そんな時支えてくれる人が、母親とは違う人が身近に居る。これからも居てくれる。
  それに気付いた時、違う愛情の形を知った。

 *美坂 栞
 両親:健在? 姉(香里):健在
  「あの子なんか初めからいない」姉の言葉
  「お姉ちゃんと遊びたかった」妹の言葉
  すれ違う姉妹。深まっていく傷。
  「だって、栞は私の妹なんだから」
  ………そして雪解け。
  その中で自分を愛してくれている人が居る事を知る。だが………、
  「奇跡は、起きないから奇跡って言うんですよ」
  これ以上自分の好きな人を悲しませたくない為の拒絶。そして嘘。
  再会の時、あふれる感情を押さえる事が出来なかった。
  姉とは違う愛情の意味を理解しながら………。

 *沢渡 真琴
 家族構成:不明
  自分の存在意義とはなんだろう?一人ぼっちな自分が家族を持つには………。
  優しくしてくれたあの人なら、「家族になってくれる」そう信じた。
  愛情の伝え方を理解できず、ただ迷惑ばかり掛ける。
  拾った猫を捨てる事、見つける事。それは家族への渇望。
  そんな時、祐一の一言が自分の中の何かを弾けさせた。
  そして………、
  「春が来て、ずっと春だったらいいのに………」
  水瀬家一堂で撮る写真は、「家族の中の真琴」を肯定した。
  大きな違和感。少しの理解。
  「………祐一と結婚したい。そしたらずっと一緒に居られる」
  ものみの丘での2人の結婚式。そして理解。
  渇望していたのは「自分の家族」、だと。

 *川澄 舞
 父親:不明 母親:療養中?
  他の人とは違う力を持つ幼い頃の自分にとって味方は母親だけだった。
  その母親との身体的な離別。その後、自分に向けられる好奇な視線。
  自分の精神が潜在的に侵されていくのを感じ、隠れるように遊んでいた。
  祐一との出会い。それは正に「癒し」だった。外界との接触点だった。
  祐一との別れ。それは外界への接触を断たれると共に、「生」への執着を促すものでもあった。
  その為についた嘘。そして力の発動。
  時は流れ………、
  自分の力で傷ついた友人を目の当たりにした時、執着を自ら断ち切ろうとする。
  「………ずっと私の思い出が、佐祐理や、祐一と、共にありますように………」
  其処にいたのはかつて自分を捨てた(と思っていた)祐一だった。
  祐一が一緒に暮らそうと言う。佐祐理と一緒に。
  それが「家族」の始まり。

 *月宮 あゆ
 父親:不明 母親:死別?
  母親との別れ。それは辛く悲しいものだった。
  全てに絶望していた自分。それを救ったのは名も知らぬ一人の男の子だった。 
  関わりを持つにつれ、次第に薄まる過去。そして癒し。
  「約束、だよ」
  自分を離さないで欲しい。過去から連れ去って欲しい。切ない思いを言葉に込めて………。
  学校。それはなんでも叶う場所。奇跡の起こる場所。天使の人形はその代名詞。
  「探しものがあるんだよ」
  無くしたもの。それは祐一と育んだもの。幼い頃の他愛のないもの。でも大切なもの。
  見つけた時、恐怖・痛みが記憶と共に弾ける。
  「ボクのこと、忘れて下さい………」
  それは今も待ち続ける自分に打ちつける冷たい言葉だった。
  切望しているもの。でも絶対に叶う事のないもの。
  それは「家族」。祐一との「家族」。
  奇跡は人の起こすもの。人の想いが起こすもの。
  待ち人はきたれり、物語は始まる。
  ………「家族」という、物語が………。