>  2000/06/23 (金) 07:40:07      [mirai]
> 17歳バット少年は走った。何かから逃げようと必死に走った。
> 警察から逃げている訳ではない、ただ住み慣れたこの町に居るのが
> 嫌で母親を撲殺した現場から少しでも遠ざかりたくて、一分でも
> 同じ場所にとどまっているのが嫌で、ただ必死に走った。
> 走って、走って行く当ても無くただひたすらに走りつづけた。
> そして、気が付くと見知らぬ山の中に居た。どうやって来たかは
> 思い出せない。必死で走りつづけていた為に足が震えその場から
> 動くことができなくなってしまった。お腹が減った、そういえば
> 朝から何も食べていない、だんだんと意識が朦朧としていき考える
> 事が出来なくなっていく。脱力感に浸りながら山の下を見ると
> 斜面に白い明かりが揺れていた。警察だ、俺を探しにきたんだと
> 少年は思う。ただもう逃げる気力はなかったぼんやりとした頭で
> 揺れる明かりを見つめていた。そのとき、ガサッっと草を踏みしめる
> 音がした、少年は振り返る。するとそこに少しおかしな格好をした
> 少女が立っていた。目が合った、少女は何も言わなかったが少年は
> 少女がついて来いと言っているような気がした。そしてそのまま
> 何も言わず少女は草むらの中へと消える。待ってくれ、少年は
> 棒のようになってしまった体に鞭を打って少女の後を追った。
> 少女の後をつけていくとそこには大きな洞窟が口を開けていた
> 真っ暗な洞窟の中を進んでいく、不思議と恐怖心はなかった
> 20メートルぐらい進んだだろうかやっと暗闇に目が慣れてきたころ
> 少年は薄暗い中に鈍い光を見た。そこには今までの自然の風景とは
> 全く不釣り合いなステンレス製の扉が仰々しく座っていた。
> 少年はそのステンレスの重い扉に体を預けるように押し開ける
> 扉の向こうはオレンジ色の世界だった、気持ちよさそうにゆらゆら
> 揺れる、それは石の壁を削った窪みに置いてあるロウソクの色、
> そのロウソクの下にはさっきの少女が居た。少年はその時何とも
> いえない安心感に包まれた、ロウソクの明かりのせいかそこに立つ少女の
> せいなのかはわからないが母親の胸の中に居るような安心感を確かに感じた。
> そんな、少年の姿を見ると少女はくるっと踵を返し石の回廊を奥へと
> 進んでいった、その背中はまた付いて来いと言っていた。
> 少年は少女の後を追い石の回廊を歩いていく、スタスタと
> 足早に歩いていく少女の後ろ姿を見ながら歩いて行くと
> 先に十時路があった少女はそのまま真っ直ぐ歩いていく
> 少年は少女の背中から視線をそらし明りの差し込む十字路の左側
> を見た。そこは少し広い空間が出来ていて少女と同じ格好をした
> たくさんの人がいた、自分より歳の若そうなものもいれば
> 頭に白髪が目立つ者もいる、そして少し虚ろな目でみんなが
> 少年を見つめていた。奇妙な光景だったが疲れきった少年は
> それを奇妙だと思う心を持ち合わせていなかった、そのまま少女に
> 視線を戻し奥へ奥へと少女の後をついていった。
> そこでふっと少女の姿が消えた、目的地に着いたらしい
> 少年はさっきよりももう少し広いその空間に入っていった。
> その空間は薄い靄のようなもので満たされ甘いような匂いが
> 全体に漂っていて、何か異質な感じがした。
> 少年が視線を上げると真正面の壁にかかっているタペストリーに
> 目がいった、そこには今までに一度も見たことの無い文字で何かが
> 書かれている、左に目をむけるとあの少女が立っていた
> そしてその空間の真ん中には一人の老人が座っていた。
> 老人は目を細めて少年の顔を見ると突然話を始めた。
> 魂がどうのとかそんな胡散臭い話を……
> そこはカルト教団のコロニーだった
> いつもなら1分も聞いていられないであろうそんな話を
> 今、少年はすんなりを受け入れていた、罪、償い、
> 老人の語る言葉の断片が少年の心を強く打つ。
> 話を聞き終わった少年は吸い寄せられるように老人の
> 元へ行きそしてその前でガクっと膝を突いた、
> その顔は救いを見つけたように晴れ晴れとしいて
> 目には涙さえ見える。
> そして老人は温和そうな笑顔を浮かべながら
> 少年に一丁の銃を渡した。
> こんな展開をキボリします

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参考:2000/06/23(金)07時39分20秒