「ちりんちりん、って弾くんだよ」「あぅーっ・・・」 「ご本は?」「あぅーっ・・・」 「ベールなんて、どうでもいいから…」「あぅーっ・・・」 「おい、真琴。起きてるか?」「あぅーっ・・・」 「ほら、こい。頭、撫でてやるから」「あぅーっ・・・」 「ほら、足元を見て、気を付けて歩けよ」「あぅーっ・・・」 「ほら、鈴で遊ぼうぜ」「あぅーっ・・・」 「次、真琴の番だぞ」「あぅーっ・・・」 「よし、読むからな。はじまりはじまり」「あぅーっ・・・」 「ずっと、いっしょにいられるようにな」「あぅーっ・・・」 「そうそう。今度は俺の番だな」「あぅーっ・・・」 「真琴……」「あぅーっ・・・」 「よし、読むからな。はじまりはじまり」「あぅーっ・・・」 「次、真琴の番だぞ」「あぅーっ・・・」 「ずっとこうして遊んでような」「あぅーっ・・・」 「真琴ぉ…」 とすっ、とその腕が俺の手から地面に落ちて… ちりん… 最後の音をたてた。