うす紅の秋桜が秋の日の 何気ない陽溜りに揺れている 比頃涙もろくなった母が 庭先でひとつ咳をする 縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を 何度も同じ話くりかえす ひとり言みたいに小さな声で こんな小春日和の 穏やかな日は あなたの優しさが しみてくる 明日嫁ぐ私に 苦労はしても笑い話に 時が変えるよ 心配いらないと笑った