2000/06/29 (木) 02:01:08      [mirai]
ムツゴロウさんライオンに指食われる 
  “ムツゴロウ”の愛称で知られる作家、畑正憲さん(65)が、フジテレビの番
組収録のため訪れたブラジルで、保護飼育中のライオンに右手中指を食いちぎられ
る大けがをしていたことが27日、分かった。東京・台場の同局で会見した畑さん
は「危機管理に手抜かりがあった」としながらも「噛まれてこそ動物を学ぶことが
できる。私にとってはむしろうれしいこと」と喜んでいた。〔写真=指をライオン
に食いちぎられた畑正憲さん。でも「ライオンを責めないで」と、動物好きの面目
躍如〕


◇
 「動物王国」の主が、大物ぶりを見せつけた。

 会見に現れた畑さんは、右手中指を失う大けがをしたとは思えぬいつもの人懐っ
こい笑顔で登場し、事故の経過を話し始めた。

 畑さんが収録していたのは7月20日放送予定の同局系「ムツゴロウとゆかいな
仲間たち 南米アマゾン驚異の生き物たち(仮題)」(木曜後7・0)。同番組の
取材のため、畑さんとスタッフ一行は4月24日に日本を出発し、南米ブラジル各
所で取材を敢行、5月24日に帰国した。

 事故が起きたのは取材も佳境に入った同月16日午前11時ごろ。サンパウロか
ら車で2時間半~3時間ぐらい走ったコティアという町の民間動物保護施設で、
サーカスで虐待されて保護された体重約250~300キロのライオン(オス、4
歳)をおり越しで手なずけていたところ、畑さんの背後にいた現地スタッフが後ろ
で動いたことに反応したライオンが、おりに手をかけていた畑さんの指を突然前歯
で食いちぎったという。

 畑さんは「私も去ってしまうのではないか、とライオンが思って引き止めようと
したんですね。だから噛まれた直後も何事もなかったようにニコニコしていまし
た。その後、すぐ自分で止血し病院で縫合、抗生物質を飲んでいました」とアッケ
ラカン。

 しかし、体の部位を失う大けがは今回が初めてなので、さすがにショックと思い
きや、「これぐらい私にとっては何でもないこと。むしろ噛まれて動物の習性が学
べるし、うれしいことなんです」とニコニコ。かえって一生の“思い出”ができた
ことを喜んでいる口ぶりだった。

 ライオンに噛まれたシーンを放送するかどうかは同局で検討中。

★噛まれても、骨を折っても素知らぬふり

 畑さんはこれまで動物に500回ぐらい噛まれており、ブラジルに入った後も、
現地のインカ犬に左ももの内側をわざと噛まれ出血。しかし、ほとんどの場合、だ
液を塗って放置しておく。ただ、破傷風などを防ぐため抗生物質は飲む。また、馬
に踏まれて足の小指を骨折したり、あばら骨を折る事故にもあっているが、スタッ
フに知られないようできるだけ自然に振る舞って治すというからオドロキ。