2000/07/01 (土) 07:45:20 ▼ ◇ [mirai]たけし、深作監督新作で冷酷教師
ビートたけし(53)が「仁義なき戦い」などバイオレンス映画の巨匠、
深作欣二監督(69)の新作「バトル・ロワイアル」(11月25日公開)に
出演することが22日、分かった。42人の中学生が極限状態で殺し合いを
させられるという異色作で、たけしは殺し合いを監視する冷酷な元教師を
演じる。バイオレンス映画を得意とする2人が初コンビを組み、
現代世相を反映した作品で日本映画界に衝撃を与える。
原作は物議
監督、キャスト、原作のいずれも、究極のバイオレンス映画を作る最高の
布陣がそろった。
メガホンは、日本を代表するアクション映画「仁義なき戦い」シリーズなどで知られる深作監督。メーンキャストの1人であるたけしは、監督、
俳優としてバイオレンス映画を得意としており、元刑事の生きざまを描いた「HANA―BI」では、ベネチア国際映画祭グランプリを獲得している。
原作は高見広春氏の同名小説で、内容が反社会的という理由で各出版社が
主催するミステリー小説賞などで批判を浴び続けた問題作だ。
世相を反映
中学生が生き残るために殺し合いをするという設定は、
未成年者による殺人事件が激増している現代日本の世相も反映しており、
早くも映倫から描写や設定について調査を受けているという。
製作関係者は「危険な香りがすると言われるが、
人間の友情や連帯などを描きたい」と語っている。
昨年4月に原作を読み、映画化の準備をしてきた深作監督は
「この作品を通してバイオレンスの原点に返ってみたい」と周囲に話しているという。たけし出演は「暴力性を感じ、リアルに撮ったらおもしろい存在だな」と思っていたという深作監督の強い希望で実現した。
初のコンビ
深作監督とたけしは今回が初のコンビだが、北野武としての監督デビュー作「その男、凶暴につき」(89年)は、もともと深作監督がメガホンを
とる予定の映画だったという。すでに撮影に入っているたけしは
「今回初めて深作監督の演出をうけて、監督っていう仕事は
こんなに細かいもんなんだと驚いたね。もしあのとき深作監督と一緒に
やっていたら、監督という仕事はやってなかったかもな」と話している。
たけしは中学生の殺し合いを冷酷に監視する元教師キタノタケシを演じる。
東映ら7社が製作し、製作費は約5億円。深作監督とたけしの強力コンビが、日本映画界に強烈な問題作を投げかける。