2000/07/14 (金) 04:59:27 ▼ ◇ [mirai]61
62 梅
アンちゃん、手がいてえよ、、。
63 長松
待ってろ、梅!!
64 梅、
あんちゃんはやく、はやく
65 長松
梅、アンちゃんの顔見ろ!
66 :眉毛とべろを出した長松の顔
67 梅
きゃははは
68 ナレーター
梅はもう母ちゃんとはいわなかった、、。アンちゃんとアンちゃんと長松についてまわった、、。
69 遊ぼう、と長松を誘いに来ていた友達もいつの間にかこなくなった、、、。
70 長松
俺も遊びに生きてえのに、、、。
71 ナレーター
長松は時々、梅が憎らしくなったりもしたが、、もうあきらめた、、。
72 ナレーター
父ちゃんを訪ねてくるおじさんたちの話をたびたび聞いているうちに聞き慣れない言葉もだんだんわかってきた、、、。
73 農民1
逃散すっぺ。もうこんただ田圃も畑もいんねえ、、、。よその国へ逃げた方がなんぼか楽だ、、、。
74 農民2
おらたちの食う米はどうするだ、、、。こんなに年貢で取り上げられたら、草でもかじるしかねえべ、、。
75 農民3
打ち壊しするしかねえべ、、、。町の米屋にはたくさん米があるらしいぞ、、、。
76 農民4
年貢を納めたら俺たちは飢え死にするしかねえ、、どうせ死ぬなら、町の米屋の米蔵打ち壊して米をとってくんべよ、、、。
77 父ちゃん
そったらことしたら、、村中のものが殺されっちまう。
78 農民4
じゃあ、どうすんだ、藤五郎さん。
79 父ちゃん
とにかく短気を起こすな、、、。
80 ナレーター
長松は梅の隣の床の中でひょうきんな目をむいて暗い天井を見つめながら、父ちゃんたちのひそひそ話を聞いている。
81 長松 強訴っていうのは、殿様に年貢をまけてくれってお願いに行くことで、直訴っていうのは将軍様に直接殿様のやり方を言いつけに行くことらしい、、。
82 長松 どっちにしても、捕まって牢屋に入れられたり、、首を切られたりする恐ろしい×があるらしい、、、。
83 梅 アンちゃん、アンちゃん、、、。
84 ナレーター 長松はどきっとして、梅を見た、、、。
85 長松 なんだ、、。寝言か、、、。
86 ナレーター 長松はいつの間にか眠ってしまって、おじさんたちがいる返ったのか知ることはできなかった、、、。