>  2000/07/14 (金) 13:59:30      [mirai]
> 妹の目をみるのがつらい

 ごそ……。
 ごそごそ……。
 不審な物音と……そして気配。
「……ん?」
 誰かが、俺の布団にもぐりこもうとしていた。
「こら……加奈だな!」
「あは……」
 悪戯めいた調子で、くすくす笑いはじめる侵入者は……加奈の香りがした。
「駄目だって言っただろう!」
「もう……入っちゃった……」
 声は俺の胸のあたりからした。
 どくん。
 心臓の音が加奈に聞こえるはずはないだろうが、瞬間的に身を離した。
「あったかい……」
「加奈!」 
「……駄目?」 
 暗くて見えるはずはないのだが、加奈の視線を感じた。ひたむきな、ただまっすぐに見上げる視線を……。
「勝手にしろ……」 
 それだけ告げて、俺は加奈の方に背を向けて、目を閉じた。
 背中が最後の壁だった。
「迷うなよ……妹じゃないか……」
 決して越えてはいけない壁に、近づいているような錯覚を覚えた。このままでは、遠からず触れることになってしまう。触れれば、それを越えようとしてしまうかも知れない。

参考:2000/07/14(金)13時56分12秒