2000/07/14 (金) 14:39:38      [mirai]
「そういえば、瑞佳さんとは3年にあがってもまた同じクラスだったんだよね」
「…私の学校は3年にあがるときにクラス替えないから」
「ないの?」
「…ないです」
「そっか変な学校ね」
「…そう?」
「だって、新しい人がいたほうが絶対に面白いよ」
「…はい」


「……でもさぁ」
「クラス替えがないってことは・・・またあいつと同じクラスだったの?」
「……え」

 …忘れたはずの名前…

「…そういえばさ、ずいぶん長いことあいつの顔見ないよね。」
「…あいつ…」

 …出るはずのない言葉…

「そう。賑やかで、自分勝手で…」
「……」
「いつも顔合わせてたら私に文句ばっかり言ってたけど…」

 …一緒にいたい人…

「…いないと…寂しい…?」

 …本当に好きな人…

「ううん、あたしは全然寂しくない」
「…私は…」
「…私は…寂しいです」
「…茜…?」
「……」
「…茜、泣いてるの…?」
「…はい」
「ど、どうしたの?」
「…嬉しいから」
「…約束守ってくれたから」
「…帰ってきてくれたから」

「ああっ!」
詩子が私の後ろを指さしながら、驚いた声を上げる。
「やっぱりねぇ」
「あいつは噂をすれば現れるようなタイプだと思ってたのよ」
振り返ると、そこにあいつが立っていた。
そして、ばつが悪そうに照れ笑いを浮かべながら、
私に言ってくれた。
「ただいま」って…。
だから私も精一杯の笑顔で…。

お帰りなさい・・・浩平