十数メートルの距離を挟んで剣を構え対峙する 2人の男 その緊張感が あたりの空気を引き締めている その勝負を観客が見ていたならば 2人の男は互角ではないことが感じられただろう 片方の男は尋常でない量の汗で顔面を濡らし その息は荒く目には怯えが宿っていた 掌はぬめる 剣を滑り落としそうなほど