2000/07/24 (月) 04:43:55      [mirai]
「…奇妙な夢って、どんな夢なんですか?」
感慨にふけってしまった俺を気にしてか、千鶴さんが訊ねてきた。
「えっ? 内容?」
「ええ、私こう見えても心理学をかじったこともあるんですよ。
耕一さんが見たその奇妙な夢の内容、私が診断してあげましょうか?」
千鶴さんは悪戯っぽく笑った。
どうもこの声で迫られると、否応なしに全てを語ってしまいそうな衝動にかられてしまう。
「実は千鶴さんが出てくる夢で…」
俺は俯いて布団を見つめたまま、呟いた。
「…えっ? わたしが?」
きょとんとした表情をする。
「うん、それはもう恐い夢だった」
少し間をおいてから、千鶴さんはようやくその意味を理解した。
「…耕一さん! 私の出てくる夢が、跳ね起きるほど恐い夢なんですか!?」
ギロリと睨む。
「じょ、冗談だよ」
「も、もう、ヒドイです!」
千鶴さんは口を尖らせて、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
「冗談なわけありません!!
私が出てくるなら、耕一さんにあんなコトやこんなコトをしているはず…」