「結婚しようか、真琴」「あぅーっ･･･」

「俺たちの結婚式だ」「あぅーっ･･･」

「ほら、足元を見て、気を付けて歩けよ」「あぅーっ･･･」

「ずっと、いっしょにいような」「あぅーっ･･･」

「ほら、足元を見て、気を付けて歩けよ」「あぅーっ･･･」

「ベールなんて、どうでもいいから…」「あぅーっ･･･」

「真琴…？」「あぅーっ･･･」

「そうそう。今度は俺の番だな」「あぅーっ･･･」

「ほら、足元を見て、気を付けて歩けよ」「あぅーっ･･･」

「今日から俺たちは、本当の家族なんだからな」「あぅーっ･･･」

「おまえが一番好きだった本だぞ」「あぅーっ･･･」

「ほら、足元を見て、気を付けて歩けよ」「あぅーっ･･･」

「真琴……」「あぅーっ･･･」
「ちりんちりん、って弾くんだよ」「あぅーっ･･･」

「ほら、これで遊ぼうぜ、真琴」「あぅーっ･･･」

「どうしたんだよ、真琴…」「あぅーっ･･･」

「おまえが一番好きだった本だぞ」「あぅーっ･･･」

「好きなだけ食え」「あぅーっ･･･」

「ご本は？」「あぅーっ･･･」

「大丈夫か、真琴」「あぅーっ･･･」


「真琴ぉ…」
とすっ、とその腕が俺の手から地面に落ちて…
ちりん…
最後の音をたてた。

まだあった