2000/08/08 (火) 04:48:08      [mirai]
「おまえが一番好きだった本だぞ」「あぅーっ・・・」

「『恋はいつだって唐突だ』」「あぅーっ・・・」

「ベールなんて、どうでもいいから…」「あぅーっ・・・」

「真琴?」「あぅーっ・・・」

「おっと、そうだったな。悪い悪い」「あぅーっ・・・」

「真琴?」「あぅーっ・・・」

「じゃあ出かけよう」「あぅーっ・・・」

「真琴…?」「あぅーっ・・・」

「おまえは、よくここから落ちたからなぁ」「あぅーっ・・・」

「ほら、こい。頭、撫でてやるから」「あぅーっ・・・」

「ちりんちりーん、ってな」「あぅーっ・・・」

「ほら、これで遊ぼうぜ、真琴」「あぅーっ・・・」

「おまえ、そうやって遊ぶのが好きだったろ」「あぅーっ・・・」

「…『わかった。絶対に迎えに来るから』」「あぅーっ・・・」

「真琴…?」「あぅーっ・・・」

「おい、真琴。起きてるか?」「あぅーっ・・・」

「大丈夫か、真琴」「あぅーっ・・・」

「おまえが一番好きだった本だぞ」「あぅーっ・・・」

「ほら、これで遊ぼうぜ、真琴」「あぅーっ・・・」

「ちりんちりーん、ってな」「あぅーっ・・・」


「真琴ぉ…」
とすっ、とその腕が俺の手から地面に落ちて…
ちりん…
最後の音をたてた。