投稿者:おふう 2000/08/27 (日) 23:36:13      [mirai]
【祐一】「全然よくないが、確かにな」
少し時間はかかるが、商店街に出るしかないかもしれない。
【栞】「えっと…たまにですけど、車で露店を開いてることがありますよ」
【祐一】「この時期にか?」
【栞】「ですから、たまに…です」
【栞】「一応、行ってみましょうか?」
自信なさげに立ち上がって、そして公園の奥を見る。
【栞】「日頃の行いが良ければ、お店開いてるかもしれませんよ」
【祐一】「そうだな…。今から商店街に行くのも大変だからな」
【栞】「私、日頃の行いはいいですから」
にこやかに歩き出す栞と一緒に、昨日まで知らなかった公園を奥まで歩く。
【栞】「ほら」
嬉しそうに振り返った少女のその先に、露天の店がカラフルな傘を開いていた。
【祐一】「簡単に何か食べて行くか」
【栞】「アイスクリームがいいです」
【祐一】「俺は焼きそばにするけど、栞は何がいい?」
【栞】「アイスクリームのバニラがいいです」
【祐一】「フランクフルトなんかうまそうだぞ」
【栞】「アイスクリームのバニラを食べます」
【祐一】「おっ、お好み焼きもあるのか?」
【栞】「……」
【祐一】「しかも珍しく広島風だぞ」
【栞】「…祐一さん、嫌いです」
【祐一】「でも、やっぱり冬といったらアイスクリームのバニラだよな」
【栞】「はい」
【祐一】「……」
結局、真冬の公園でアイスクリームをおいしそうに食べる栞の姿を横目に見ながら、焼きそばを頬張ることになった。
…何となく予測していた事態ではあったが。
【栞】「うぐ…おいしいです」
【祐一】「そうだな」
【栞】「祐一さんも一口食べますか?」
【祐一】「焼きそばにバニラは合わないだろ」
【栞】「食べてみたら意外とおいしいかもしれませんよ」
【祐一】「…自分で言ってて、それは違うだろって思わないか?」
【栞】「食べるのは、私ではないですから」
【祐一】「うわっ、ひでぇ」
【栞】「くすっ、冗談ですよ」
【祐一】「うぐぅ」
【栞】「わ。何ですか、それ?」
【祐一】「秘密」
【栞】「そんなこと言うと気になりますよー」